服部智恵子の大学設立日記

どうやって大学をつくるか。ゼロからスタート大学設立同時進行日記

『あの明治大学がなぜ女子高校生が選ぶNo.1大学になったのか』

副題に「奇跡を起こすブランドポジションの作り方」とある、上坂徹の本を読んだ。

 

早稲田大学明治大学近畿大学は、志願者数や受験者数で日本一を競う大学のトップスリーだ。

そういわけで、志願者数でどちらが二番や三番になっても「高校生が行きたい」とか「女子高校生が行きたい」などと括ると、順位は変わる。

 

しかしどちらにしても、これらの大学が、現代の若者を観察し、広報を大事にし、改革的なことをしていなければ、今の世の中、大学競争で勝てないだろう。

これまでの評価に安住していては、生き残れないのが今の日本の大学の置かれた状況であることは、周知のこと。

 

そんな中で新たに大学を作ろうと言っているから、私は知人から心配され反対される。(笑)

 

 

 

大学マネジメント界はあるか

あなたがいつ、このブログを読んでいるか知れないが、2017年の時点で大学マネジメント関係のコースやプログラムを持つ大学は、東京には3つある。桜美林大学東京大学筑波大学だ。

 

桜美林大学は、大学院の修士課程、専門職大学院だ。大学マネジメント界(?笑)を歩いていると、あちこちでよくその評判を聞く。優れた大学職員が居たりして聞くとそれは桜美林の大学マネジメントの院出身だ、と。

 

東京大学は、教育研究科に大学マネジメントのコースがある。高等教育についての研究を目的とする。何しろ学部自体が、教育部といいながら教職員=学校の先生を、輩出する気はない。

(笑)だから研究科も、大学職員を輩出する気持ちはない、のではないか? ましてや大学設立者など。

というのが、私の博士課程を受験しての感想だ。ちなみに私はそこに落ちた。だからいうのではない。(爆笑)

 

筑波大学は、文京区にある東京キャンパスで、大学マネジメントのコースを何年も前から開いている。いくつもの大学が、スタッフデベロップメントの一貫として、自校の職員を派遣したりしている。もちろん自ら来る人もいる。

 

私も、そのオープンセミナーに2年ほど前から何度か参加した。よい職員はいないかと物色しているのだ。(笑)

 

というわけで、これを読んだとき、大学マネジメント界が存在したり、その世界が盛況だったり、貴方のいま知っている大学職員が優秀だったりすると、そらはこれらの大学のお陰である。かもしれない。

『革命のファンファーレ』西野亮廣

面白い。

大学設立というプロジェクトは単純な作業で成功するものではない。だから、その過程における何万里もの距離のなかで、何百もの準備のなかで、何千もの行動のなかで、私には、多様で多彩で大量の概念や知恵や技術が必要だ。

 

そういうわけで、私はいつもそれを探している。そして、この本にはあった。

 

 題名が革命のファンファーレ、副題は「現代のお金と広告」。内容も文章も、よい。

この人は才能があるな~、実行力もあるし。それも現代と、こらからの時代で、一番必要で重要な。この人のこの力こそ、いわゆる『21世紀学力』ではないか、と思った。

 

クラウドファンディングについても、これまでのどの本やどの人の言い分よりも、納得できるし、核心を突いている。

それに、これは、新しいビジネスモデルを、打ち出し実行した人の、本だ。 

たぶん、他の分野の、他のプロジェクトを推進している、他の人にも、役に立つ。

もう一つの壁を動かす方法

物事を進めていると、動かしがたい壁を感じることがある。この壁をどうにかしなければならない、そんなときにどんな方法があるか。

壁をよじ登って乗り越える。梯子をかけて向こう側にいく。迂回する。壁に穴を開ける。壁を壊す。壁に…。

 

先日、ある人から「あなたが昔言っていた方法がある」と言われ、思い出した。

壁にコロコロ(車輪)を取り付けて、動かすのだ。もちろん、車輪は壁の重さと大きさに合わせて、壁を動かせるだけの大きさと数が必要だ。取り付ける手間と技術と時間も。

 

実は、15年ほど前にある団体のセミナーでワークショップをしたときに、私はその集団が立ち向かっている壁に、コンサルタントとしてその提案をした。

必死に考えた末の、アイディアだった。

まず、その集団にとってその壁は「壊す必要はく、動かせば最大の価値を生む」ことを、指摘した。

分かりやすい絵にして、その壁の車輪に当たるのは何か、取り付ける技術とは何か、車輪で動かす方向は向こう側かそれとも横スライドか、…。そして、大成功した。彼ら彼女らは、状況と力量のなかで、壁を動かした。

私は思い出した。壁を壊す、よじ登る、回り込む…以外の選択肢を、15年前の私が教えてくれる。

いま、私はある壁に車輪を取り付けているところだ。

流石ですぅ。近畿大学・世耕石弘さん

驚きますぞ。

先週、関西で開かれた教育関係の展示会に行ったことは、書いた。

また、あの近畿大学の、あの広報を展開している世耕石弘の講演を聞くのが主な目的だとも。

そして、講演は大人気で、終了後には名刺交換の列が長く続き、私の番には既に名刺が切れてしまい「後で送ります」となったことも。

 

で、今日、本当に名刺が来た! お詫びの手紙と、ちゃっかり自署の宣伝も入っている。(笑)

 

私は読んだからもういいが、他の人に彼の本を読ませたくなった。特に、広報をしている人に。

 

広報とはなんぞやが徹底していて、実践している、すごい人だ。

一応、私は広報学会なんで、思い出してみる。広報と宣伝の違いを。

広報とは「伝わること」「コミュニケーション」私を愛して」。

宣伝とは「伝えること」「一方向」「私を買って」。

学校見学~軽井沢インターナショナルスクール

ISAC(アイザック)として知られる軽井沢インターナショナルスクールの見学に行った。11月22日。現在は、UWC ISAC JAPANとなっている。

小林りんさんの名とともに、日本で一番有名なインターナショナル高校だろう。

 

一般の見学は、指定された日時から選んでの事前申請制で、学生たちへの奨学金となる旨の説明付きでランチ代込みの一人6,000円である。これは取材や進学予定保護者とは、日時を含めて別の設定である。

当日は私たち準備会四人と、あと一人が参加。一回の見学で最大6人までである。

 

最初から終わりまで、校長アシスタントの有能な女性が、対面で応対をしてくれた。後で、これだけの時間これだけの人を拘束するのなら、見学料は適性以上の設定だと思った。

 

10時30分に本部棟での説明と質疑応答から始まった。説明をうけた本部棟の見学から始まり、教室や寄宿舎、体育館などの施設を見学した。そして、実際に行われている授業を、複数見学することがてきた。

 

途中で出会う生徒は、活発で、多様性に富み、ティーンエイジらしい。といっても推察通り、日本の高校生や高校とは、ほぼ印象が異なる。

 

ランチの時には、配慮で日本人の女子がテーブルに来てくれた。溌剌として、知的で、印象深い三年生である。

 

自分で選んで、この学校にやって来た。英語や経済的な壁も、親や周囲の理解も、頑張って突破して。

その子の話をしていると「頼もしい。こんな子がいれば日本の未来に希望が持てる」となどと、思ったくらいである。

 

結局、学校の価値を決めるのは学生だ。

帰宅の新幹線で、窓の外を眺めながら考えた。

 

まずはシンプルに問いかけてみる

軽井沢インターナショナルスクール(ISAC)を視察見学した。これまで私は、幾つもの学校や教育施設を見学しているが、今回(から)はこれまでとは異なる。

今回の見学は、スーパーサポーターの「ISACを見学して、できたら創立者の小林りんさんと会って」の願いから、見学申請の実行に移した。

これまで、このずっとこの学校を見学したいと思っていたが、実際に申請の実行に移したのは彼女のメールがあったから。

自分の願いが、友人(関係者)の願いに換わると、こんなに実行力が出るものか?

 

次に、これまで大学や施設の視察見学は、毎回ほぼ一人で行っていた。今回は、メールで関係者に「○○を見学するが、一緒に行きたい人はいるか」と聞いてみた。軽井沢だし泊まりになるかもしれないし、日程も平日だし、と思ったがが。まずは恐れずに、かってにソンタクせずに、シンプルに。

そしたら、夫妻で理事をしているものが「行く!」と来た。あの嬉しさと驚き。そして、複数人でいく楽しさ。

 

実際、複数人で見学するとこれまでの単独でより、ずっと収穫があるし、ずっと良い。質問だって、視点だって、感想だって、人数の分だけ多様だ。

 

今後も何かあったら、先ずは「問いかけてみる」。やりたい人いませんか、助けてくれる人いませんか、一緒に行動する人いませんか。。