服部智恵子の大学設立日記

どうやって大学をつくるか。ゼロからスタート大学設立同時進行日記

少しの積み残しもない準備

一昨日、冬季オリンピックのフィギアスケート写真集をよんだ。その中のコーチのインタビュー記事に、心にズンとくる言葉があった。

 

「(彼らは)少しも積み残しのない準備をして、試合では自分たちを信じて氷に出ていくだけになっていた。」

 

アイスダンスの金メダルと銀メダルの選手を出したコーチのインタビューだ。どちらのカップルも天才的で芸術的な選手で、最高のパフォーマンスだった。僅かな差で金と銀。

 

そのコーチが金メダルの二人の、復帰してからオリンピックまでのことを語って吐いた言葉、

「一つの積み残しもない準備をして」。

 

私は大学設立準備会を作った時に、何かを成すには準備が大事だ、と考えたからそう名付けた。しかし、まだまだ甘い。

 

いいか! 一つの積み残しもない準備が必要なのだ! と自分に言い聞かせた。

シュトルム・ウント・ドランク

今年に入ってこのかた、疾風怒濤の日だった気がする。

予定はほとんどが玉突きで決まる。または次々と変わり、また決まる。人間万事塞翁が馬を思わせるようなことが起こる。

 

例えば午前の約束に行ったらそこで午後の予定が決まり、あるいは資料を探しに本屋に行ったら偶然翌日の打つ手を示唆する人と会う。

別の意図でセミナーに参加したらそこで知り合った人とそのまま別のプロジェクトに行く。

ガックリすることがあると、それそのものがビックリするほどの成果をもたらすことに変わる。

そこで私は、、疾風怒濤=シュトルムウントドランクな時代と気どって乗り切ることにした。

 

そしてそんな激動の日々も落ち着く時がくる。今週はそんな気分だ。

だか、週末に理事会がある。そこで報告するまで、またしてからも何が起こるか分からない。(笑)

心が落ち着くことは永遠にない

かつて、ある人の悩み相談に付いていったことがある。商売をしているその人は、同じく商売をしている大先輩に、家業のことについて指導を受けた。

大先輩は言った。「商売や経営というのは、零細だろうが大きかろうが、ずっと自転車をこぎ続けることと同じ。永遠に楽になることはない。そう覚悟すると、気が楽になる」

最近、ハーバード何とかの経営の本をよんだ。「経営者というのは、昼夜常にお金のことを考え、人事のことを考え、決断の結果を危惧し、コントロール出来ない社会環境を憂え……。心休まることはない」

同じことを言っている。

最近私は、目が覚めたらお金のことを考え(笑)、移動中はあれをどうしようそれをどうしようと考え、夜はお金のことを考えて(笑)眠れない。 

つまり、永遠に不安が消えることはない世界に入ったのだ。(爆笑)

不安の解消はFacebookの効用

最近、激動の日を送っている私は、ほぼ毎日大きな決断をくだし、ほぼ毎日予定が急遽変わり、ほぼ毎日戦略変更をしている。

で、毎回、引き受ける覚悟が必要な責任に、不安が起きる。戦略が変わるにはその前に大きな小さな反省もある。

Facebookを見て、友人のアップした可愛らしい赤ちゃんや子どもの写真を眺めたり、誰かのコメントに吹き出したり、じぶんで何か書き込んだりすることが、今や私の癒しであり、慰めであり、楽しみだ。

今やFacebookの友人近況は、私の不安をなだめる最大アイテムだ。(笑)

「不安と反省(後悔)こそ、人類を進化させた」

取り合えず、私は不安をFacebookで解消しよう。

 

 

クラウドファンディング勉強会で創発の条件を学ぶ

昨日、クラウドファンディングの勉強会にいった。

主催者は現役の大学生、だから参加者ほぼ大学生、いって30代。(私を除けば(笑)) たったの8人。

支援者になったこともあれば、発起人側に協力して返礼品の発送作業をしたことのある私には、正直、目新しい情報はなかった。

 

だが。その瑞々しさ、共創力、フラットさ。

面白いし、愉しいし、楽しい。

知恵や情報が、一方的に上から下に流れる、という感じではない。教える、というのでもない。知恵も情報も、シェア=共有しあうという感じが、普通にある。

だから、ワークショップでは、アイディアも創発的になるし、インスパイアも双方に起こる。

私も同年代の気分で、高校生に見えなくもない学生に突っ込んで、盛り上がった。

何しろ終了後には、もっとも興味深い一人と、そのままカフェに行って話し込んだ。

雪になるかもしれない雨の中、行ってよかった。

天才リーダーになる覚悟。

昨日、プロジェクト達成の天才と相対した。逃したくない人だった。

 

はっきり言うが、私もプロジェクト達成の天才である。

これまで幾度も、何かに挑戦するとき「勝利からの逆算」が見えた。それは光のスジのように真っ直ぐに、達成と自分をむすんでいる。

 

それが見えた瞬間「勝った!」「出来る!」と分かる。

どんなに困難だとされることでも、勝利からの逆算が見えたときは、達成できる。

どんなに他人からは回り道に見えても、それが一番の直道だと分かる。自信がある。

誰と意見を闘わせても、これが一番だと自信がある。

 

だか、大きなプロジェクトのときには、おそらく幾人もの天才と組むことになる。

問題は、もしこの天才が見る「勝利からの逆算」と私が見たものが、異なったらどうするか、ずれていたらどうするか、である。

 

私の決心がつかないまま、会談は雪でのび、昨日になった。

新宿のとある大正ロマンあふれるカフェで、電車で遅れた相手を待ちつつ、自分の考えをパソコンに思うままに打っていた。

 

そして、相手がきて、自分が立ち上がった瞬間、見えた。

「そうか、私が天才リーダーになればいい」

天才リーダーになって、天才たちを率いればよいのだ。天才たち見る逆算のスジが全て入れることが出来る、勝利への大きな光のスジをもつ天才リーダーに、自分がなればいいのだ。

権力に近づくのを恐れない権威に近づくのを怖れない

大学を設立しようと決めてから私は、色々なことを順々に決意していった。

自分の苦手や不得手に取り組むこと。避けたいことから目を背けないこと。やらなければいけないことは、自分の気持ちではなく決意に従うこと。……。

そうでなければ、この一大事業は達成できない。得意なことだけやり、やりたいことだけをやり、気持ちの乗ることだけをやっていては、本当に私が考える大学は出来ない。

 

で、今年になって決意したことは、「権力に近づくことを恐れない。権威に近づくことを怖れない」である。

 

色々な事情があって、かなりの年になるまで、私は市役所や銀行が怖かった。笑っちゃうが、市役所さえ、私にとっては権力だった。銀行は権威だった。

何しろ年頭の願いに「市役所や銀行に平気で入れるようになる」と書いたくらいだ。哀しいくらい可笑しな願いだった。

後に銀行や市役所に、本当に平気で図々しく入れるようになった時に、アマルティアセンの「潜在能力」がテーマの本を読み、感嘆した。この人は本当に凄い、と。分かっている、と。

 

で、やっと今回、更に大きなことに挑戦するときに、今度は更に深いところで、決意した。

権力に近づくことを恐れない、権威に近づくことを怖れない、と。

自分の為なら決意できないことも、未来の学生の為なら決意できる。