服部智恵子の大学設立日記

どうやって大学をつくるか。ゼロからスタート大学設立同時進行日記

【振り返り】留学試験で知る持たざる者の悲哀

 22才で中国留学試験に合格し、私は全額奨学生として、北京に渡ることになる。

 しかし正直に言おう。実は留学試験のチャレンジは3回目での合格だ。。

 何も知らなかった私は、一回目を何の準備もせず受験し、初めて試験を受けるものは受験勉強をするものだと知った。準備をするものだと知った。

 周りはみな大学生で、その交わす会話で自分の受験常識のなさを知った。ゼミの先生の指導?大学生なのに留学塾にいく?先輩の教え?傾向と対策?教材?

だいたい、準備ってなんだ?! 

 恥ずかしながら何も知らなかった。正確には、言葉は知っているが実感として知らないのだ。やったこともない。親から、周りから、自然に吸収する、学ぶ、ということがなかった。周回遅れはおそろしい。(笑)

 2回目は、ペーバー試験合格の「勝利からの逆算」が見えていた。塾やセミナーなど行かなくとも、最初の試験で分かった道筋にある教材を本屋で買い、それを勉強した。仕事しながらできる合格法だ。

 しかし筆記試験は合格したが、自費か修学金の分かれ目になる面接で落ちた。どうやって面接に合格できるのか、まったく分からなかった。悲しいほどに「見えない文化情報」がなかったのだ。恥ずかしい。(笑)

 3回目は、もう最初から道筋が見えた。奨学金を取りやすい書類の書き方も、学力試験での成績のあげかたも、そして面接の仕方も。

 お陰で、学費だけでなく生活費も支給される全額奨学生になれた。つまり、三年かかったのだ。遅れを取り戻すのに。やったぜ。

 だけど私は分かる。私と同じような人の中で、私は運がよかったのだ。努力しても報われないことは、よくある。同じ努力で結果が違うこともよくある。希望しても3年は挑戦できない状況の人もいる、

 私は成功者バイアスにかかってはいけない。