「只今のは、バーバラ・ストライサンドの『晴れた日には永遠が見える』でした。」
何十年も前、留学先の北京に戻るタクシーの中で、そう聞いた。
だいぶ後で、タイトルが正確にはちょっとだけ違うと分かったが、私の中では常にそのタイトルでフラッシュバックする。私は、そう聞こえたし、その言葉で深く刻印されたのだ。
『晴れた日には永遠が見える』
北京で、東京で、アジアで、アメリカで、沖縄で、永遠が見えそうな晴れた日の空に遭遇するたびに、頭の中で繰り返す。
ある時は爽快に、ある頃は寂しく、ある時期は希望を抱いて。
今日の、横浜市へ向かう車窓から見る空は、晴れている。どんな永遠が見えるだろうか。