ホイットマンの詩に、「さあ、出発しよう。決められた決勝点は、変えられないのだ」という一節がある。
若いとき。あるプロジェクトに関わっていた。その時に、その一節を聞いて、ホイットマンの詩集を求めた。
それ以来、何かのプロジェクト、何か日にちの決まった勝負、何かの試験、そんな時に、この一節を思い出していた。
でも本当は、どんなものにも終わりの日があるのだ。目に見えない締め切りがあるのだ。何かが決する日があるのだ。と、歳を重ねると痛感した。
だから今は。いろんなことに、自分で終点を決めるようになった。何かの勝敗を決する日を定めるようになった。決勝点を明らかにするようになった。
大変だけど、楽になったなあ。