一人で、自分の夢や目標を目指している時は、単純に幸福だった。
自分が、自分や家族のためだけに頑張っている時は、まだ楽だった。
自分と夫と息子が道を踏み外さないように、守るべき範疇で。
それで何かに挑戦することも、奮闘することも、どんなに大変でも、平気だった。
だが、今は違う。
自分が足をすくめれば、組織が怯える。自分が進まなければ、法人が停滞する。自分が高慢になれば、職員が傲慢になる。
怖い。恐い。恐ろしい。
同時に。
自分が己れに打ち勝てば、グループ全体が、勝利の方向へ進む。
私が前進すれば、職員が活気づく。
私が勇気を出せば、皆が繁栄する。
私の勝敗は、私だけのものではなくなった。法人グループ全体の勝敗にかかわる。