実際に起業して、自分自身が思うことがある。
戦略とか、先読みとか、予測とか、計画とか。本当にそれで、起業や事業は、成功するのか。そんな人って凄い、と。
私はよく「実はちゃんと予想していた。だから上手くいった」とか、「私の読みがあたった」とか言い張る。先見の明がある振りをする。自分のとった戦略が的確だった風をよそおう。
だけど。
はっきり言って、どんなに予測しても、物事というのは変化する。また私にとって、起業とか事業というのは、新しいことばかりだ。
だから、私の場合たとえて言えば。
必死に、起こったことに対応した。縁に応じて、計画予想とは違った順序で事を起こした。辻褄を合わせるために頭を絞った。コロコロと転がって、倒れないように頑張ったら、結果が上手くいった。荒波に流されて、掴んだものにしがみついたら、結果的に良かった。
つまり、もしかして偶然上手くいったのだ。
ハリー・ポッターに双子が言う「よし。戦いながら、戦略をでっちあげるんだな。俺たちの得意とするところだ」なんてセリフがある。
それにハッとして吹き出した私は、まさか何年後かに、それを心に置いて起業と事業に立ち向かうとは、思いもよらなかった。
私はまさに、走りながら戦略をでっち上げてきたのだ。で、上手くいった方に、転んだのだ。
秀逸な計画よりも、準備した戦略よりも、現実の変化の方が、それを超えているのだ。