早稲田の社会人(向け)大学院の恩師の、誕生日を祝う会に参加した。全員女子ばかり。
私は自著の大人の絵本「女の子とバケツのおはなし」を、人数分持っていって、プレゼントした。
しかし、恩師は、既に私の著書を購入していて、読んでいた。何しろ恩師は、手刷りカラーコピーの時のも読んでくださった方だ。
そして恩師が笑いながら言った。
「実は私のことではないかという、疑惑があるのだよ」と、ある2行を見せた。
血の気が、引きましたね。(笑)
出版にあたって加筆した数行のうちの2行だ。あんなに削ったので、代わりに数行を加えた。
この2行を書いたときは、全くそのつもりではなかった。たくさん言われたことを、凝縮して、無意識にオブラートにつつんで、一人の人の言葉とした。
でも、恩師に言われて改めて読んだとたん「確かに、この口調と台詞は、このT先生だ!」
恩師の指導室での、冷静な口調での、数々の厳しい指導を、思い出した。この台詞、この言葉。
……間違いない、そうだ。(笑)
私は、この2行が、急に愛おしくなった。
そうか、私は、知らずに恩師を、自分の物語に、登場させたんだな。