いま、突然その立場になって、思い起こすことがある。
昔、通訳をしていてある会社に深く関わったときに、偶然、重要な場面に居合わせた。
それは、重要なプロジェクトの人材起用について、担当者が、何故AではなくBを選んだのかを、内線電話でAを推薦した重役に説明していたものだ。
どうやら両者ともに甲乙つけがたく、経験も能力も、可能性も他すべて同じだったらしい。だから、相手は、どんな理由でBさんに決めたのかを問いただしていたのだ。
担当者は、すべての抗議に「はい、そうです」と答えていた。そして、最後に「‥‥‥ただ、その食べ方や食べる量が、Bさんは最後の土壇場まで倒れないだろうと、信じきれたのです」
思いもよらない理由だった。
人は、何が理由で人材として選ばれるか
分からない。
人は、何が理由でリーダーとして選ばれないのか分からない。
人は、何が理由でその人生に選ばれるか分からない。