昨晩から突然、『星落秋風五丈原』の歌が頭をめぐっている。土井晩翠の長い叙情詩に、曲がついた歌だ。
三国志演義の人気の登場人物である、諸葛亮孔明のことを詠っている。
私は、軍師・諸葛亮孔明が好きである。
息子と旦那を引き連れての旅でも、五丈原を訪ねたくらいである。
私が初めてこの歌を聞いたときに、最も印象に残ったのが、そして何度も思い出すのが、他の人にはおそらく何ら残らないであろう段落だ。
それは、「覚悟を決めて、闘いに入った以上、もう、晴耕雨読の牧歌的なあの頃には戻れない。あのままでいれば、どんなにか楽だったことであろう。しかし、私はこれを選んだのだ」という意味を表現したところだ。正確には、私がそう解釈した部分だ。
若い頃の自分に、なぜに、そこが響いたのか分からない。しかし、大事な分岐点で、あるいは敢えてその道を進むか進まないかを選ぶ時に、私はこの歌詞を思い出していた気がする。