中国古典に「蒼蠅驥尾に付して万里を走る」という言葉がある。
もちろん、それを引用したり、下敷きにしたりする日本の古典や仏典もある。
名馬の尻尾につかまれば、ハエでさえ、本来は自力では辿り着けない遠くまで行ける。そういう意味だ。
たとえば。
巨大な組織にしがみついていると、小さな個人では到底達成できない大きなことを、達成できる。
あるいは。
偉大な人物についていると、冴えない人間でさえ、大きな境地にまで至れる。
または。
能力のない人間でも、大きな組織やプロジェクトチームの末端にいるだけで、夢であった目標が達成できる。
さて、そうなると。ハエの立場のものは、よい。しがみつく馬を間違えないこと。そして、必死にしがみつくこと。それでよい。
しかし、馬は大変だ。
行き先を間違えないようにしなければならない。遠くまで至らなければならない。たくさんの蒼きハエをしがみつかせなければならない。
私はハエとなって、大きなものにしがみついて、ここまで来た。今度は自分が、小さくとも自力で遠くまで走る馬に成らなければならない。
経営者、リーダーとはそういうものだろう。