離岸流。砂浜に向かって寄せる波が、一ヶ所に集まって、強い引き波となって沖へと返していく。
これは、来る波よりも返す波が強いうえに、一点に集まるので、さらに強い力で岸を離れて、沖へと向かう流れとなる。
これに捕まったら、気がつくと、自分が行きたい岸からは、却って遠くへと引き離される。
さて、人生にも離岸流がある。
思いもよらずそな流れに捉えられ、気がつくと、自らの望みとは反対の方向へと流される。
どうしたことか。いま、私が相対している馬謖は、離岸流に乗ったかのようだ。
そんなつもりはなかっただろうに、あれよあれよと、恐らく本人の思惑とは反対の方向へと、動いていく。
墓穴を掘るかのごとく、馬謖自らの望みとは反対の結果へと、物事が決まっていってしまう。
最初、私の鬼になりぐあいが良かったのかと思った。私の戦略が当たったのかと思った。(笑)
ただ私は運が良く、馬謖はいま運が悪かっただけだった。(笑)