服部智恵子の大学設立日記

どうやって大学をつくるか。ゼロからスタート大学設立同時進行日記

「もう面接は終わっている」

かつて、様々な会社や放送局の通訳をしていた。あるとき、ある団体からその団体の公認の通訳という、大変に名誉な冠称を頂くことになった。

最終の面接だと聞いて、No.2の人物のところに伺った。落ちたらどうしようと緊張していた。

だが、冒頭、その偉い人はこう言った。「もう面接は終わってます」

これまでの何度かの仕事や、先輩たちとのコラボの通訳、多くの通訳の場面、トップが開催した宴会での通訳などがあった。

「それらで、君はもう何度も面接をうけているのと同じだ。普段の仕事の現場そのものが、人事面接である」

「そのなかで、(組織の)トップは既に、君を見ているし、通訳の場面で君の仕事をテストしている。もうトップの面接は終わっているんだ」

「現場以外、事実以外、どんな最良の面接がある?」「普段から油断なく、最良の仕事をすることが、面接合格なんだ」「この仕事をするべき人間か、この仕事の公認として相応しいか、常に見られているんだ」

そう。良いこともわるいことも、もう取り返せないのだ。
人生において、多くの仕事は「もう面接は終わっている」のだ。

いま、人を起用しよう、任命しようとする立場になって、改めて思い出している。