私が知っている一人の戦士。
その闘い方は、いつも静か。
その闘いは、いつも愛情に満ちていた。
だから、その戦士が、実は熾烈に戦っているなんて、誰も分からない。
だが、内に秘めた炎は激しいし、弱まることはなかった。
弱い者の味方になること、人を幸福にするために支えること、不公平には断固として反骨になること。それがこの戦士のスタイルだった。
その支援のしかたは、常にさりげない。
恩着せがましいことはしないし、決して言わない。
唯一、飲んで、稀に、ある一定の段階になったとき、立ち上がってジャンヌダルクのように、演説を始める。
美しい戦士であった。
優しい戦士であった。
愛される戦士であった。
尊敬すべき、闘いをした人であった。
私は、この戦士に、遠く及ばない。