ある若い友と、もう孫もいる友に、言いたい。
あなたは、確かに貴女のお母さんの娘だ。はじめから。いつまでも。
貴女の母がもうこの世にいても、もういなかとも。
だけど、その母の娘である貴女に、言いたい。
母親に誉めてもらおうと、もう思わないで。誉めてほしかったと思わないで。
あなたの母が貴女にそうだったからといって、あなたが貴女の母と同じになってしまう、なんて思わないで。
あなたは貴女であって、あなたの母親とは違う。
あなたの母が、あなたを誉めなかったからといって、あなたを認めなかったからといって、貴女はダメな人間じゃない。
あなたは、素晴らしい、立派な女性だ。
あなたの母は、自分が本当は完璧じゃなかったから、貴女を完璧であれと責める。
あなたの母は、貴女が羨ましかったから、貴女を誉めなかった。
あなたの母は、貴女にかなわないと思ったから、貴女に愚痴をいった。
あなたの母は、本当は弱かったから、貴女を誉めるまえに、頑張れという。
母の娘よ。あなたよ。心の中で、一度、母を殺しなさい。そうやって、呪縛を断ち切りなさい。
そして、もう、母に誉められようとか、認められたいとか思わないで。
あなたは、立派に、貴女だ。