会社組織のトップをつとめていると、瞬時に重要な判断を下さなければならない時がある。
それがたった70人ほどの従業員の中小企業でも、トップの判断は重要だ。
それが、即座に下さなければならない判断でも、一瞬のうちに、すべての視点から考える必要がある。
しかもそれは、いつも静謐の中に置かれているときではない。
ある別の案件の片付け中で、同時に他の煩雑な仕事の進行中で、そして今その時では、判断材料が揃ってない時もある。
それでも、従業員を守るためには、間違った判断をしてはならない。間違った決断を下してはならない。
そんな時は、一番大きな潮流を見る。
数字ではない。近くの人の感情でもない。現場の顔色でもない。
本当に従業員を守りたかったら、現場の人間を守りたかったら、時代の流れを見なければならない。
世間の潮流や状況には、70人あまりの小さな法人は、ひとたまりもないのだ。
昨日、瞬時に下した判断があった。
今日、職員を代表して、あるスタッフから、「代表の判断は間違っています」と言われた。おそらく現場の皆の気持ちを代弁したのだろう。
即座に「いや、これが正しい」と自信を持って言い返した。そして、世間の流れを説いた。
理知的な職員は、即座に理解した。そして、私の代わりに、職員に説いて回った。
従業員、職員を本当に守るためには、嫌われても、反発されても、これが良いと思う判断を、下す勇気が必要だ。
ああ。何をするにも、勇気が必要なんだなあ。