つれづれに、現代の日本の保育士さんの置かれた状況を考えてみる。
日本の保育士のキャリアパスには、マズローの「社会的要求」と「尊厳の要求」と「自己実現の要求」を、充分に満たす前途がない。
保育士さんは、社会的にあまり尊重されていない、正当に評価されていない。
普通の親が出来ることをやっているにすぎない、と思われている。しかし、保育士というのは、他人の子どもを育てているのだ。別の重要な資質が必要になる。
教師は知識を持って教育をやっている、保育士は育てているだけだ、と考える人がいる。
しかし、言葉も生活スタイルも出来てきない子どもを養育することのほうが、よっぽど知識と知恵と忍耐がいる。
それなのに旧態依然とした認識のもとの、保育士という職種は置かれている。
人間の最も重要な時期、人生の最初の刷り込みをする時期、全ての土台をつくる時期。
そんな時期に、最も深く関わる人間、最も強い影響力を持つ仕事に対して、今の日本は充分に心してかかっていない。
そう考える。