たとえば、私の目の前にこんな愚かな人がいる。
自分に成功の分け前をくれる人を、攻撃する人。自分に立場をくれた人に、困らせるようなことをする人。自分を引き立ててくれる人を、非難する人。
友達ならば、全力で忠告したくなる。どうしたの。もっと賢くなって。もっとよく見て。もっとよく考えて。貴方はあの人こそを大切にすべきだよ。
でも。よくよく観察したら、この人は、恩知らずなのではなく、勘違いしているだけなのだ。愚かなのではなく、分からないだけなのだ。
大変に残念ながら、この人の勘違いをただしている時間は、今の私にはない。何しろ勘違いをただすには意外にも時間と手間がかくるのだ。
誰か、この人を思ってくれる人、この人の為に、この人の勘違いをなおしてくれる人。ただ言うだけでなく、実際になおす人。
そういう人がほしい。そう思う日々である。