ボンボヤージュ。フランス語で「良き航海を」
「良い旅を」と言う意味だ。普通の、旅に出るものへの挨拶だと思っていた。だから、これまで軽く楽しく、よく使っていた。
しかし、今日読んだ本で、かなり覚悟のある、深い背景のある言葉だと知った。
船長同士、お互い船で行き交う時に、ボンボヤージュと言う。
仮に相手のその船がボロくて、手入れが行き届かない状態で危ないよ、と言いたくても。
相手の船長にそんなことは言わない。そんなこと、分かっているはずだ。それが船長だ。
例えばいまあっちの波は高いよと言いたくても、乗組員にヤバいやつがいたと気がついても。
向こうの船長にそれは言わない。知っているはずだ。それが船長だ。
お互い責任を持っている。お互い自分のその船の長だ。人様が言うことではない。
重々分かっている。船長だ。そうでなかったら、その結果の責任をとるのも、その船長だ。
リスクをとって、責任を持つのが、その船のリーダー、船長だ。
そしてお互い、相手の船長に言う。
ボン・ボヤージュ! 良き航海を。