最近、つくづく分かったことがある。
自分には、役人の言っていることが分かる能力が、なかった。役人の言わんとすることを、理解できるセンスがなかった。
ここ3週間、あることで、ある部門の役人と、電話で何度もやり取りをすることがあった。
彼の言うことに、私は一生懸命答えていた。彼の要求することに必死で応えていた。つもりだった。
そして、最後の最後になって、やっと分かった。彼は、諦めろと言っていたんだ。彼は断っていたんだ。彼は、無理ですと言っていたんだ。彼はそれを出来ない理由を説明していたんだ。と。
笑ってしまった。こんなに世間を知らない自分。こんなに知らない世界があることを、初めて知った自分。
出来ないという説明を、こうすれば出来ると言っていると思った自分。
必死に、自分の論理で理由書を書いていた。頑張って、この資料があればいいんだと集めていた。
笑った。ほんとに自分は、役人の論理も、その背景も、そう言わざるを得ないルールも、そうせざるを得ないその世界の正しさも、分かっていなかった。
何より、その言葉が、分からなかった。それを分かったことが、今回の進歩だ。