大学をつくると言って動き始め、その道程の第一歩として、まず小規模保育園をつくることになった。
大学の設立や建設に比べれば、そりゃあ小さい。しかし、それ自体は責任も重く、大変な仕事だ。
理由は様々だが、保育園設置の途中で去っていたものもあるし、なかなか来れない人もいる。
その中で、自身の仕事の合間に手伝い続けた理事の一人が、遂に保育園業務に専念するために職場に退職の事前通知を出した。「もうサイは投げられた」と彼はメールに書いてきた。
ゾッとするほど、身が引き締まった。
私自身は、とっくの昔にルビコン川を渡っている。自分のことでも、勇気が要った。でも、今度は違う。
この人を雇用するのは私だ。この人に給料を払うのは私だ。この人にルビコン川を渡らせたのは私だ。