ある作家の卵の話だ。その人が悩んでいるときに、ある恩師のスピーチを聞いた。
テーマは「文学は、アフリカの餓えた子どもに何の役に立つのか」
その恩師は、とある世界の巨人だが、小説も書く。
そのスピーチを聞いた当時の作家の卵は、一生をかけてその問いに応えていこうと決めた、と。
そして、やがて作家の卵は、芥川賞もとり、卵でなくなり、巨匠となり、今やたしか、何とか褒章も受けた。
今日、知人が、ブックカバーチャレンジで、とある本を載せてくれた。彼女の紹介は、おっ。読みたいっ、と思う詩的な紹介ものだった。
私はいま、飢えてはいない。が、文学の力を必要としている。物語の力を必要としている。詩歌の力を必要としている。文学が、欲しい。