中学時代に学んだ古典。そのなかで、いまだに人生で何度か言い聞かせているものがある。
「高名の木登りといいし~~」で始まる。そして、私の大好きな言葉「過ちすな、心して降りよ」
有名な師匠が、弟子が高い木に登って難しいことをしているときは、ただ見守っていた。しかし、作業が終わって下りるとき、あと1.2歩ていど、簡単なところで、弟子に声をかける。
「気をつけろよ。心して下りなさい」
危ない高い時には声をかけずに、なぜこんな簡単なところで、注意する?と周りの者が問う。
「危機を過ぎて、終わりごろになって、簡単なところが、一番気をつけるべきところなのだ」
そう。
私はいまだに多忙である。早朝から深夜まで仕事している。未だに終わってない。
しかしピークを過ぎている。少し楽になっている。明らかに。
そんなときこそ。
油断してはならない。気をぬいてはならない。「悪魔の囁きに耳を傾け」てはいけない。最後の一歩、過ぎてからの3歩まで、気をぬいてはならない。